この歳になって思うのは、若い頃に好んで聴いていた音楽って「好きなもの」の系統をよ〜く表しているな、と。
ようやくなんとなく気持ちの整理がついて、今回はちょっと1人語りです。
墓場まで持っていくアーティストが33だった件
KANちゃん
そして小沢健二さん(Flipper's Guitar)
どちらも15歳ごろ、柔らかくも尖っていた頃に出会って大好きで。メロディーはもちろん、その歌詞(小沢さんは「詩」に近い)、世界がバチッとハマった。
お二人に共通するのが色恋を歌っていて現実感もあるのに、「会いたい」「さみしい」「がんばって」のような、べったりしたわかりやすさがないところ。
同じことを歌っているのに、どこかひねくれていて、普通の言葉ではない。なのに軽やかで重く、暗く、じめっとしていない。
数秘を学んでからお二人の数字を調べてみたら、これがどちらも33で、思わず笑ってしまったのでした。泥臭さやネガティブさ、現実感を嫌う11の私に刺さるのも納得です。
軽やかな天才、KANちゃん
KANちゃんといえば「愛は勝つ」は避けて通れず、華麗なる一発屋だと思われている節もあるのですが😅この歳になるとわかります。
同業者から一目置かれること、そして1987年のデビューから一度も契約を切られることなく、アルバムを発表し続けることがどれだけすごいことか。
KANちゃんとの出会いの曲「 言えずのI love you」は恋に恋する年頃だった私にズドーンと刺さった。
オーケストラのスコアが書けて、ライブでは必ず全曲をアレンジする。弦楽器の美しい音色に
恋は例えばこんなふうに
そうちょっと気を抜いてあぐらをかいてるうちに
途方に暮れてしマウンテンバイク
なんて品よくふざけた歌詞をのせる。( サンクト・ペテルブルグ~ダジャレ男の悲しきひとり旅~)
かと思えばPerfumeに憧れて、彼女らが歌っていてもおかしくないような曲を作る。( レジ子スターの悲劇)
ビッグバンドを従えて、小学生男子ならではの曇りなきでっかい夢を歌う。( 小学3年生)←息子にはこんな子どもに育ってほしいと思った
なんで結婚式の定番にならないんだろうと不思議に思う、「好き」とか「愛」とか一切言っていないのに、誰が聴いても愛を感じる曲を作る( よければ一緒に)
メロディも歌詞も違う曲を仲良しアーティストと別々のアルバムで発表し、2曲を合わせると美しい1曲になる、誰も考えつかないようなことをやってのける( KAN+秦 基博『カサナルキセキ)
好奇心のアンテナがバリバリに立っていて、楽しそうだからやりたいことをやる。だから還暦に振袖姿の写真を撮ったり、遺影が夏目漱石コスプレだったりする。
なんてすてきな33!
私は33がポジティブに発揮されている人は「おもちゃ箱をひっくり返したような楽しくて幸せなとっ散らかり方」をしてると思っています。(もう1人私の中での「ポジティブ33の見本」はお笑い芸人、銀シャリの鰻さん。 彼の視点こそTHE33です)
もちろん6のスーパー強化版ともいえるので、芸術や美の才能がある。そして意識する・しないに関わらず人をポジティブに、幸せにする。
まさにそれを体現してた人。
まさかこんな早くにお別れをいうことになるとは思ってもみませんでした。私の本質のカタチの一面を見せてくれたアーティスト。
一緒にいてくれたこと、感謝します。