こんにちは、引き寄せ数秘ガイド陽香です。
「髪をとかす」という行為。もちろん顔を洗うと同様、身だしなみを整える行為のひとつではあるのですが、女性にとってはそれだけではないような気がします。
自分を慈しむ。
柔らかな髪の手触りを味わう。
女性であることを楽しむ……
大和撫子の必需品、つげの櫛(くし)
ブラシよりも櫛の歴史は古く、古代エジプト時代にはすでに広く使われていたとか。日本では約7000年前、縄文時代の木製の櫛が発掘されています。
時代が下り、奈良時代〜平安時代頃には、つげ(柘植)の木が櫛に使われるようになりました。
つげは木目が細かく緻密で、加工後反ったり歪みにくい。更に乾燥すると軽くなり、柔らかな黄色みを帯びた色目もとてもキレイなので 実用性、見た目共にパーフェクトな素材だったのです。
この時代に編纂された万葉集には、つげの櫛を詠んだ歌が数首登場します。
君なくは なぞ身装はむ 櫛笥なる黄楊の小櫛も 取らむとも思はず
(大意)あなたがいないのに、櫛をとって着飾る気持ちになれません
万葉集 第9巻(1777) 詠み人:播磨娘子
どの歌もつげの櫛の実用性を詠うのではなく、所有者である女性への恋心を表現する小道具として使われています。
つげの櫛・その他の櫛・ブラシ、最大にして唯一の違いとは
つげの櫛は髪にいいと昔からいわれていますが、他の木から作られた櫛や獣毛ブラシと一体何が違うと思いますか?
櫛が作られる過程で欠かせない椿油。これが唯一最大の違いといえるでしょう。
つげの櫛のとろりとした飴色の正体は椿油です。木から削り出した櫛を椿油に何度も漬け込み、椿油をたっぷりと染み込ませているのです。
椿油が染み込んだつげの櫛を使うということは、とかす度に毛先にまで、 椿油をごくごく薄〜くつけているのと同じこと。
パサつきが抑えられたり、ツヤがでるのは当然かもしれませんね。
つげの櫛の大きな特長といえば静電気を抑える効果ですが、ぶっちゃけどの木から作られたものでも充分効果アリだったりします😅
更に地肌へのマッサージ効果・フケや抜け毛予防効果について、同じことを獣毛ブラシの宣伝でも見かけた記憶はありませんか?
これはブラッシング行為自体にマッサージ効果があるからです。
どうしても椿油を使わなくちゃいけない……?
つげの櫛と必ずワンセットで出てくる椿油ですが、椿油でなくちゃいけない、椿油が一番いい!という訳ではありません。
ちなみに「櫛をたっぷりのオイルに浸す」という コスパ的観点でみると 一番安くあがるのは食用の菜種油。不飽和脂肪酸を多く含むので、パサつき・枝毛や切れ毛を防ぐ効果を期待できますよ。
ただ単に、昔から 日本では髪にいい油=椿油だっただけのこと。ですから髪にいいオイルなら、なんでもいいんです。
ホホバオイルでもアボカドオイルでもアルガンオイルでもオリーブオイルでもキャスターオイル(ひまし油)でもココナツオイルでも、はてはスーパーで売ってる食用の菜種油でも。
ダイソーの桃の木櫛+杏オイル(アプリコットカーネル)で手作りする人が多いようですが、なぜ杏オイル?
オリーブオイルやココナツオイルは香りが残る。アボカドオイルは色がつきそう。ホホバやアルガンは高価そう……その点杏オイルは無色無臭ではありますが、それであればアーモンドオイルの方が安上がりです。