こんにちは、引き寄せ数秘ガイド陽香です。
私が月経カップを使い始めたのが2006年、33歳の頃。多分日本人としてはかなり早い方だと思っています。あれから17年、月経カップの認知度は上がったけれども普及率はどうでしょう?
まだまだメインストリームとは言い難く、 ちょっと気になるけどなんだか怖いという人も多いのでは。
月経カップとは
月経カップが生まれたのは1930年代、そしてFDA(米国食品医薬品局)に認定登録されたのは1970年代です。すべらかな表面はバクテリアの繁殖を防ぎ、膣内の粘膜が持つ自浄作用を妨げないのが月経カップのいいところ。
またタンポンとは違い、漂白剤・消臭剤・吸収ジェルなど体に悪影響を与える可能性のある物質は不使用。安全性を考え、多くの月経カップは特別医療グレードの非アレルギー性シリコンで作られています。
ちなみにシリコンは「シリカ」という鉱物から派生しており、かゆみなど不快な症状を引き起こすことはありません。敏感肌・カンジダ膣炎・アトピー性皮膚炎、またはアレルギーがあっても安心して使用できるのです。
月経カップに使われているシリコンは最高医療グレード。最高医療グレードのシリコンとはカテーテル、コンタクトレンズ、哺乳瓶の吸い口などに使われ、更には心臓弁や関節の代用品として、体内に埋め込まれることもあります。
これはもちろんシリコンが非アレルギー性・抗菌性、そして変質しないからです。
月経カップとTSS(トキシック・ショック・シンドローム)
2010年代、月経カップがジワジワと広がってきた頃には「月経カップに使われているシリコンはバクテリアの繁殖を防ぐのでTSSを引き起こさない」というのが定説でした。
……が、2023年現在この説は支持されていません。これまでにとても稀ながら、月経カップによるTSSと診断された症例があるからです。
参照: Toxic shock syndrome associated with menstrual cup use
原因は主に 用法を超えた長時間の放置。
月経カップは6〜12時間に一度取り出し洗浄するのが基本ルール。これを守らず、ひどい場合には数日間も入れっぱなしにしているとTSSを引き起こす可能性があります……ってまあ、当たり前ですね😓
そして使用後の洗浄が不十分だったり、経血をあける時に手を洗わなかったりするともちろん感染症に罹る危険性があります。
これはまあ、タンポンやナプキンにも当てはまる極々基本的なこと。月経カップの危険性は、商品自体にあるものではありません。使い方次第で起こるかもしれないという危険性です。
月経カップと子宮内膜症
以前から度々議論になる、月経カップと経血の逆流・子宮内膜症の関係。結論をフランクにいえば、 今のところ原因になるともならないともいえません。
そもそも「月経カップは子宮内膜症発症を促す」説はどこから出て来たのか?
これは1920年代、アメリカの産婦人科医サンプソンが唱えた子宮内膜症は月経血の逆流による移植(月経血の逆流によって子宮内膜細胞が腹膜や卵巣表面に生着する)が原因とする説を元にしたもの。
しかしながら現在ではこの説は一切支持されていません。経血の逆流は どんな生理用品を使おうが、90%の女性が意識せずに体験している現象です。
今でも子宮内膜症の原因ははっきりと解明されていませんが、遺伝的なもの・免疫・環境ホルモンなど様々な要因が絡み合い発病すると考えられています。
月経カップが子宮内膜症の原因となり得るかどうか、正直に言ってまだわかりません。結論付けるだけの十分な研究がなされていないのです。
Menstrual cup, Endometriosisとググると月経カップは子宮内膜症を引き起こすという内容のページがたくさんヒットします。
これは2003年、Associated Pharmacologists and Toxicologists会長であるArmand Lione博士がFDA(米国食品医薬品局)にあて、月経カップの販売許可取り消しを求めて嘆願書を提出したことに始まります。
FDAはこの嘆願書を「学術的エビデンス不十分」として却下。でもLione博士は2009年、you tubeに月経カップの危険性を説くビデオを投稿して、女性に使用しないように注意を促しています。
でもですねぇ……この説を唱えているのはLione博士のみなのですよ。それもエビデンス不十分な説を立て看板にして。
それだけに Menstrual Cup大手コミュやYou Tubeでは
「これは『セオリー』であって『エビデンス』ではない」といった冷静なコメントから感情的なコメントまでずらり。
そして「生理用品会社の回し者なんじゃないの?」という、すっごくありそうなオトナの事情を疑うコメントもありました。
激安月経カップは危険?
私が月経カップを初めて使ったのが2006年。
運営していたオンラインショップで販売を始めたのが2007年。
当時は世界中で月経カップメーカーは10社もなかったと思います。
メーカーが増えれば自然と始まるのは価格競争。そして価格競争が始まれば所謂 中華製激安月経カップも出てきます。
Amazonやebay、Aliexpressでは5ドルもしない、メーカー不明の月経カップがたくさん販売されるようになりました。
この手の激安カップがいいのか悪いかは、最終的に個人の判断によるのですが、 シリコンのグレード、そして不純物が混ざっていないかどうかが確認ポイント。
ムーンカップUK(英)やディーバカップなど老、舗大手メーカーのものは医療用グレードのシリコン100%で作られていますが、Food Grade(食用グレード)を使用しているメーカーもあります。
またMedical Grade(医療用)と書かれていても、医療用グレード100%ではない場合もあるので、購入の際には注意が必要です。
色付き月経カップは危険?
そしてもうひとつ、色付きカップもずいぶんと増えました。それと同時に「着色料使ってて、危険はないの?」という議論も使用者・メーカー側で交わされています。
老舗メーカーのひとつ、
ムーンカップUK(英)は安全性・ベーガン・経血の状態がわかりやすいという観点から今後も色付きカップを販売する予定はないとしています。
「ベーガン」というのは、自然由来の着色料は動物由来(昆虫)のものが多い……という理由だそうです。
色付きカップを販売しているメーカーは(当然ですが)危険性は一切ありません!としています。ただその理由は決まって「FDA(
アメリカ食品医薬品局)が認可しているから」。
わかるようなわからないような、正しいようなそうでもないような……FDAは神なのか?!と思わず突っ込みたくなりますが😅
結局は 多分安全だけど、まだはっきりとわからないというところのようです。どちらかといえばエコ観点の理由が大きいかな、と感じます。
月経カップとエコ魂
今では、NZではスーパーマーケットの生理用品コーナーでも、タンポンと並んで月経カップが販売されるようになりました。メーカーの増加から考えても、月経カップの認知度は年々上がっているといえるでしょう。
さらに生理用吸水ショーツの普及もあり「生理用品は紙ナプキンとタンポンだけ」という時代は終わったように感じます。
私の場合は「快適そうだし」という理由で月経カップに移行しましたが、今はおそらく 環境保護で移行する女性、特に若い世代が多いのではないでしょうか。
正直、海外のプラスティックフリー熱は日本とは比べものになりません😅特に子どもたちや若い世代は学校でとても詳しく、徹底的に学ぶので、環境保護意識が半端じゃないのです。
女の子であればやはり「プラスティック製の使い捨て」生理用品は避け、何度も繰り返し使える月経カップや吸水ショーツを選ぶようです。
ボトムライン
私自身は生理人生(?)の半分ほど、月経カップを使用してきたことになります。
生理用品によるかぶれもなくなり、買い足し・ゴミ捨ての面倒臭さからも解放され、旅行もプールも温泉も快適で、とてもいいものに出会ったなぁ…というのが正直な感想。
でもこれいいよ〜!と勧めたリアル友達で実際に取り入れたのは、 エコ魂を持つ友人ひとりだけなので、どうやら心理的なハードルは高いようです😅
- 肌にやさしい
- 経血を吸収しすぎないので乾燥しない
- 経済的
- 女性にできる最大のエコ活動